シアトルのサンクスギビング

イギリスから清教徒がメイフラワー号に乗ってアメリカ大陸にやってきたのが1620年11月。
新天地を求めて到着したのはちょうど厳寒に突入する時期で、食べ物にも困っていたところ、先住民であるネイティブ・アメリカンが食べ物を分け与えてくれたうえに農作物の作り方まで教えてくれました。寒さで仲間を失いながらも、先住民の助けで春までなんとか持ち越し、その土地の暮らしを定着させた清教徒は、翌年の1621年11月、収穫が多かったため先住民たちを招いて感謝の意を表す席をもうけ、共に神の恵みを祝ったというのがその始まりとされています。

最近は宗教的な意味は薄れ、普段アメリカのあちこちに離れて暮らしている家族が一同に集まって盛大な食事をする国民的なイベントとなっています。

サンクスギビングのご馳走

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サンクスギビングのメインディッシュは、なんと言ってもターキー(七面鳥)の丸焼き!サイズは、4ポンド(2kg弱)のチキンサイズから25ポンド(11kg強)まであり、ゲスト1人につき1~1.5ポンド(0.45kg~0.68kg)が目安です。大きいと食べきれないことも多く、サンクスギビング後、何日もターキーを食べ続けるなんてこともあります。

サンクスギビングの食卓の中央に飾るセンターピース。
パンプキンの左にある柄模様の角の形をした「コルヌコピア(Cornucopia)」は、食べ物と豊かさの象徴として感謝祭で飾られます。

ターキーにかけるソースは、グレービーソースとクランベリーソース。肉料理に甘酸っぱいソースというのは日本人からすると違和感があるかもしれませんが、サンクスギビング料理には欠かせません。他に付けあわせとして、マッシュポテト、さやいんげんのキャセロール、さつまいも料理、デザートにはパンプキンパイやアップルパイが一般的。ターキーの中に詰めるスタッフィング(stuffing)は、主に角切りのパンに野菜や香辛料を合わせたもので、ターキーに詰めずにオーブンで焼く場合もあります。

マッシュポテトなどのターキーの付け合わせ。

ターキーに詰めるスタッフィング。

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日頃味にうるさくない人でもサンクスギビングのご馳走には力が入り、料理担当者は朝から七面鳥を焼いたり料理をしたりと大忙し。特にソースやスタッフィングは、各家庭の味として腕の見せどころ。ご馳走の締めくくりのアップルパイやパンプキンパイには、ホイップクリームやアイスクリームを添えて頂きます。

大きなターキーを焼くのは時間がかかり慣れないと難しいため、料理方法などを教えてくれる電話サービスもあります。ターキー販売で有名なButterballのホームページでは、大人・子どもの人数、残り物が欲しいか、大食いか小食かなどの情報を入れるとそれに適したターキーのサイズを計算してくれます。また、ターキーにまつわる相談が持ち込まれるButterballのターキーホットラインには、「冷蔵庫がいっぱいで仕方なく庭に埋めておいたターキーが雪に埋もれて見つからない」、「ターキーの中に飼い犬のチワワが入って出て来られない」などの珍相談もあるようです(幸い、チワワは、ターキーの穴を少し大きくすることで救出されたそうです)。

手前はアップルパイ。
奥はパンプキンパイ。かなり甘め。

*The Butterball Turkey-Talk Line
http://www.butterball.com/

サンクスギビングのパレード

アメリカのサンクスギビングでもう一つ有名なのが、メイシーズ・デパート主催の「メイシーズ・サンクスギビング・パレード」。ニューヨークのブロードウェイを巨大な風船が練り歩くパレードの全米放送が朝9時(東部時間)からスタート。パレードの放送を見ながらお祝いのための料理作りに励むのが伝統行事になっており、日本でお節料理を作りながら紅白歌合戦を見るのと同じような雰囲気です。

メイシーズ・デパートのフロート。

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シアトルでもサンクスギビングの翌日に「メイシーズ・シアトル・ホリデー・パレード」があります。
沿道には椅子を持ってきて陣取る人もいます。ニューヨークのような巨大な風船は見かけませんが、小さな風船がたくさん付いた様々なフロート(山車)や高校や大学のマーチングバンドなどがダウンタウンを練り歩きます。

小さな風船で造られた様々なフロート。

ワシントン大学のチアリーダー。

シアトルのワシントン大学のマーチングバンド。

ブラックフライデー

サンクスギビングの翌日はクリスマス商戦が開始され、小売店が黒字になることから「ブラックフライデー」と呼ばれています。この日は、アメリカ最大規模のセール日なので、シアトルのダウンタウンはパレードを見る人と買い物をする人でごった返します。
「ブラックフライデー」には、真夜中や朝4時から特売をするお店も多く、超目玉商品、「doorbuster(ドアを壊す人という意味の造語)」を目当てに開店前の夜から店先に並ぶ人もいます。インターネット上ではブラックフライデーの前から特売情報をリークするサイトがあり、最近では公式情報のリリース日前に広告を掲載したサイトには、法的手段を講じるという大手小売店もあるほどです。超目玉商品を買うためには早朝から並ぶだけでなく、前日にお店に行って超目玉商品までのルートを下見しておく用意周到な計画が必要だと言う人もいるほど、ショッピングに熱が入っています。

最近は混雑を避けてオンラインでクリスマスショッピングをする人も増えています。サンクスギビングの週明けの月曜日には、一般消費者が職場などのネット環境に戻ってきてネットショッピングに活気が戻るため「サイバーマンデー」と呼び、この日のオンラインショッピングの特売セールも人気です。

サンクスギビング翌日からクリスマス・イヴまでのアメリカのクリスマス商戦期間の小売売上高は、年間売上高の約4分の1弱を占め、アメリカ人はクリスマスギフトに平均800ドル~1000ドル使うと言われています。今年は金融危機や物価の急上昇などで額は少し減るかもしれませんが、クリスマスに向けて街のにぎわいも人の買い物熱も盛り上がることは間違いないでしょう。

PHOTO: SAYURI N MUNDAY
TEXT: MICA OKAMOTO

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